自分なりに描いてみました。(地中熱利用換気システム図) [建築]
最近、ある住宅の設計で採用した地中熱利用換気システム(GEOパワーシステム)ですが、メーカーHPなどのシステムのしくみがわかる概略図がいまひとつピンときませんでした。
ならば自分で納得するべく描いてみました。
新鮮空気を取り込みながら地中熱を採熱し、1階床下の蓄熱層を経由しながら室内を循環をし、最終的には排気(呼気の二酸化炭素等で汚染される)もする。
調べると、なかなか理にかなっています。
井戸の空気版というところでしょうか。
水より熱容量は小さいので、まったく同じとはいかないのでしょうが、空調の援護射撃的な換気システムで節電にも貢献するようです。
外気温の影響の緩和および建物内各所の温度差の緩和で、エアコンが苦手な人はこのままで、エアコン好き?でもその頻度が少なくなると思います。
あと注意点は、1階床下に直径200mmのパイプが配管されますので、基礎梁(基礎立上り)を貫通する部分には補強用の配筋は欠かせません。
構造的に望ましい基礎梁の貫通部分を念頭に、パイプの配管ルートを決定します。
基礎梁の寸法(特に高さ)は、セオリー通り貫通径の3倍以上の確認です。
貫通補強配筋は、結構込み入ったことになったので、既製品の貫通補強筋(ダイヤレンNS)を使用しました。
思ったよりもコストは掛からず何といっても施工が簡単、よって私の監理の段階でも、明快に指摘することができました。
現場監督さんと鉄筋工事担当者の方ともしっかりやりとりができました。
(誠実で優秀な方達でした。)
ようやく私なりに、納得ができました。 (^-^)
まずは… [建築]
地盤調査をし、地盤補強(地盤改良)が必要な土地とわかりました。
やわらかい地盤が2m以上等々から柱状改良工法(深層混合処理工法)
の採用としました。
こんな感じで細長い(と言っても直径60cm)円柱状に掘削し、
杭状の柱状改良体を地中に埋め込むようにつくります。
べた基礎の場合、法的に必要最低限は1㎡あたり2tの
重さに耐える地盤が必要なのですが、3t程度は考えたいところです。
重さに耐える計算の本数とは別に、配置基準も併せて考えるのですが、
結果1㎡あたり2tと3tでは、あまり本数が変わらなかったことも見逃せません。
家づくり、まずは土地づくりから。
和風? [建築]
普通な個性 [建築]
正面に見えるは、“荒間障子”です。
障子の中でも、ごく普通の障子です。
横繁障子、縦繁、吹寄、雪見、猫間、腰付き…
いろいろあるのですが、荒間に行きつくことが多いです。
普通なのですが、なぜか個性を感じる建具です。
斜めの壁 [建築]
木造の斜め壁は、存在壁量(有効な耐力壁の長さ)を求める際に、
三角関数でX方向とY方向に、それぞれの分の存在壁量をふり分けて計算をします。
文系の設計者?は少し余計に頭を使います。
斜め壁は、耐力壁の配置も納まりも、梁の仕口(柱との結合部)も慎重に検討です。
手ごたえのある計画です。
鉄筋コンクリート造だと、比較的融通がきくのですが。
つながってます。 [建築]
キッチンの脇に柱が立っていますが、
その足もとには…
なにか…床にスキマがあります。
これは地面の中につながってます。
地熱利用の換気口(吹出口)です。
井戸水の空気版というところでしょうか。
なので、つながってます…地球に。
この装置はテレビでも放映してました。
http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/backnumber/20110501.html
工事監理 [建築]
工事監理(こうじかんり)とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう。(建築士法第2条6より引用)
まぎらわしいが、監理とは別に管理も存在する。工事管理は施工者が現場を運営する業務でいわゆる現場監督がそれを行う。
監理は建築士が行い、管理は現場監督が行う。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%A5%E4%BA%8B%E7%9B%A3%E7%90%86
ということで、私の仕事は“監理”の方です。
基礎工事では、
こんな事をしたり、
(おそらく、隅角部の補強配筋の定着の確認)
こんな事もしたり。
(スラブ配筋の間隔の確認。スラブ底の清掃も指摘事項。)
作業自体は地味なのですが、なぜか現場はわくわくします。
今年も、設計と工事監理は続きます。
玄関ドアと庇 [建築]
玄関のドアです。
既製品でない製作品のドアです。
木目がわかる塗装で仕上げています。
ところで木のドアなので、
雨や日射を考慮した庇も必要です。
壁の左官仕上げの為にも、軒の出は貢献しています。
勾配天井 [建築]
唐突ですが、勾配天井はいいですね。
まずは、開放的。
そして自動的に梁組みが表れて、
これがまた木の味わいがあり良い感じです。
天井が木(板)だと、さらに木の味わいUP!
すっきりと和紙の天井も清々しい部屋になります。
ちなみに和紙のアップ
和紙は、重ね貼りが基本です。
そんな勾配天井ですが、
照明器具に工夫が必要です。
天井ふところ(屋根と天井の間)が薄くなるので、
断熱にも注意が必要です。
あとは、通常は上が屋根でないとできません。
つまり、上に2階のある1階の天井にはできません。
そして、若干、工事費が掛ります。
それでもやっぱり、勾配天井はいいですね。
アーバントリップ [建築]
日本建築家協会(JIA)関東甲信越支部では、年に数回アーバントリップという建築の見学会があります。10月末の、この時期としては暑いくらいの好天に恵まれた一日に、贅沢な見学会に参加できました。
まずは群馬県にある「ぐんま国際アカデミー 」です。
小中高一貫教育でバイリンガルの学校です。
遠方からも注目されている学校のようです。
設計はシーラカンスで、なんと、その主要メンバーの宇野亨氏ご本人に、説明・案内をしてもらったのです。
設計過程のいろいろな話をしてもらいました。
その後、館内の見学です。
この日は平日なので、授業中にも見学させてもらっています。
平屋で、木を使った内装です。
ハロウィンの飾り付けがにぎやかでした。
体育館も、木をたくさん使った内装です。
斜めの柱は、本当の構造体として使用している木の柱です。
中庭には、“屋外教室”になる丸い腰掛石が並んでいます。
建物の外壁の一部が、黒板になっています。
これで、本当に“屋外教室”ですね。
その後、群馬から栃木県宇都宮市に移動。
東京ガスが主催している「 SUMIKA Project 」 を見学します。
まずは、伊東豊雄氏設計の「パヴィリオン」です。
このプロジェクトの案内所や調理体験の場となっています。
こちらも設計担当者の人に、説明・案内してもらいました。
貴重なスケッチなどの資料を見せてもらい、感激と好奇心が盛り上がります。
設計担当者の女性は、穏やかな語りの素敵なひとでした。
続いては、 藤森照信氏設計の「コールハウス」です。
外壁は本当の“焼き杉”です。
表面がすす(コール)なので、こう呼ぶそうです。
1階の中央のくりぬけた具合が洞穴をイメージしているそうです。
右側の2階へのハシゴがなんとも興味をそそります。
藤森氏いわく、こちらが本当の玄関?らしいです。
居間の中央にY字形の柱。
製材前の木立でもこんな形だったそうです。
ユニークな柱です。
もちろん構造体として機能しています。
続いては、 西沢大良氏設計の「宇都宮のハウス」です。
なんと、こちらも西沢氏ご本人の説明・案内です。
この家のトップライト(天窓)は、
朝はベッドに、昼はキッチンに陽がそそぐのです。
天井を見上げていますが、屋根を支えているのは鉄骨の柱に見えますが、実は地中の杭が上まで延びて屋根を支えているのです。ということで、柱のない不思議な家なのです。
最後は、 藤本壮介氏設計の「House before House」です。
1部屋が1棟の、立体的で不思議な集合体の家です。
すっかり夜になってしまいましたが、夜祭りのようなワクワク感で臨んでいました。
一番高い3階相当の屋上から眺めているところです。
中からも外からもいろいろなルートで行き来できて、見学者の多くはすっかり楽しんで空間移動をしています。
くつろぎもあり、
緑も随所にあり。
あっという間の一日。
おなか一杯の見学会でした。
お土産に宇都宮名物の餃子を買って、帰路につきました。
実は、これも楽しみです。